CoaXPress-over-Fiber
CoaXPress-over-Fiber(CoF)は軽量でありながら、既存のCoaXPress仕様の重要な拡張機能として、光ファイバ経由の転送をサポートしています。
CoaXPress(CXP)は、高帯域幅コンピュータービジョンアプリケーションの事実上の規格です。その仕様の最新バージョンであるCoaXPress 2.0では、CXP-12の速度を、同軸銅ケーブルでの12.5 Gbps(毎秒ギガビット)リンクと指定しています。CoaXPressではリンクアグリゲーションの適用が一般的であり、4つのCXP-12リンクを使えば、50 Gbpsの帯域幅(12.5 x 4)は簡単に達成されます。CoaXPress仕様はJIIA(日本インダストリアルイメージング協会)によって管理されています。
CoaXPress-over-Fiberは、CoaXPress 2.0仕様へのアドオンという形態で設計されています。CoaXPressプロトコルをそのまま変更せずに、光ファイバを含む標準のイーサネット接続で実行する手段を提供するものです。そのため、CoaXPress-over-Fiberはイーサネット用に設計された標準的なエレクトロニクス製品、コネクタ、およびケーブルを使用しますが、プロトコルはイーサネットやGigE Visionではなく、CoaXPressです。
光ファイバの使用に関するメリットとデメリットは何ですか?
メリット
● | 何よりもまず、ファイバ接続には基本的に長さの制限がないため、ケーブルの長さは問題ではなくなりました。 |
● | 光ファイバの接続標準はファイバ当たり10 Gbpsと25 Gbpsで、データセンターでも幅広く使用される高い帯域幅を提供できます。 |
● | 光ファイバは電気的ノイズへの耐性があるため、生産フロアや医療分野での応用に大きなメリットがあります。 |
● | 光ファイバは、同等の銅ケーブルに比べ軽量でサイズが小さいため、この特性が不可欠となる航空機や車両などの用途に最適です。 |
デメリット
● | 「パワーオーバーファイバ」がありません。光ファイバ内の信号は光を使って伝送されるため、光ファイバで送電することは不可能です。カメラなどのデバイスには、別途、電力供給源が必要です。 |
CoaXPress-over-Fiberにはどのようなケーブルオプションがありますか?
CoaXPress-over-Fiberの最も重要なメリットには、多数のメーカーがすでに多様な接続オプションを提供していることがあります。
CoaXPress-over-Fiberと3625 Coaxlink QSFP+ (10 Gbps) の基本接続オプションはSFP+とQSFP+(クワッドまたは4倍SFP+)モジュールです。固定インターフェースと比較した場合のモジュールの利点は、用途で必要となる適切なトランシーバーをポートに装備できる点にあります。多様なトランスミッターとレシーバーを利用できるため、ユーザーは、マルチモードファイバ(MMF)またはシングルモードファイバ(SMF)で必要な光リーチを提供する上で適したトランシーバーを選択できます。
AOC (アクティブ光ケーブル) トランシーバーを装備した3625 Coaxlink QSFP+
最初のオプションは、マルチモードファイバ用の40GBASE-SR4 QSFP+光トランシーバーモジュールを使用しています。最大150メートルの光ファイバケーブルでMTP/MPOファイバコネクタを使用しています。このソリューションは、マシンビジョン用途に最適です。
40GBASE-SR4 QSFP+ 850nm 150m MTP/MPO光トランシーバーモジュール(MMF用)
MTP/MPOファイバコネクタ、最大150 mの光ファイバケーブルを使用
2つ目のオプションは、シングルモードファイバ用の40GBASE-ER4 QSFP+ LC DOM光トランシーバーモジュールを使用しています。最大40キロメートルの光ファイバケーブルでLCデュプレックスファイバコネクタを使用しています。このソリューションは、ビデオ転送用途などに適しています。
40GBASE-ER4 QSFP+ 1310nm 40km LC DOM光トランシーバーモジュール(SMF用)
LCデュプレックスファイバコネクタ、最大40 kmの光ファイバケーブルを使用
CoaXPress-over-Fiberのジッターとレイテンシーは?「従来」のCoaXPressと比較した場合はどうですか?
CoaXPress-over-FiberはCoaXPressプロトコルに基づくものであり、ジッターとレイテンシーに関すると、CoaXPressと同様に高いパフォーマンスを示します。その上、CoaXPress-over-FiberはCoaXPressに比べ、より高い転送速度をサポートしているため、ジッターとレイテンシーはさらに改善されるでしょう。