自由度
自由度によって位置のずれや歪みを補償できます。ただし、自由度を得るごとに実行時間が長くなるため、使用の際は慎重に行ってください。多くの場合は、テキストおよび文字の平行移動のみで対応できます。大きい振幅のスキューが生じる可能性がある場合は、テキストの平行移動とスキューを組み合わせます。他の自由度も同時に使用する際には注意が必要です。

全テキストを水平方向 (ShiftX) および垂直方向 (ShiftY) に指定された範囲内で移動できます。
テキストの平行移動

Skew で定義した角度で全テキストをバウンディングボックスの中心を基準に回転させます。
テキストのスキューイング

全文字をそのノミナル位置を基準に水平方向 (ShiftX) および垂直方向 (ShiftY) に移動します。
文字の平行移動

バウンディングボックスの中心を固定したまま、全テキストを水平方向ScaleXおよび垂直方向ScaleYに再スケーリングします。等方性(両方のスケールファクターが同じ場合)または異方性の再スケーリングを行えます。
等方性テキストスケーリング
注記: デフォルトではテキストのスケーリングは等方性となります。テキストの異方性スケーリングの可能性があると思われる場合は、検査前にEOCVTextに対応するオブジェクトのIsotropicScalingパラメータをFALSEに設定する必要があります。等方性スケーリングの場合は検査時の実効時間が短くなります。

角度パラメータ Shear を使って全テキストをせん断します。バウンディングボックスの中心を固定させたまま、文字が斜体になります。
テキストのせん断
自由度のパラメータ
ロケーションの自由度は、学習時の位置、ノミナル位置を基準に指定します。文字は対応するテキストの中心に対して記憶されます。テキストの中心はテンプレート画像/ROIの中心を基準にして記憶されます。デフォルトのスキュー角度およびせん断角度は0、スケールファクターは1です。
パラメータの値はバイアス ± 許容値の範囲内でなければなりません。バイアスが0の場合、範囲の中心はノミナル値となります。
自由度ごとに試行される位置の数は以下のようにして指定します:
- 平行移動:ShiftXBias ± ShiftXTolerance および ShiftYBias ± ShiftYTolerance 範囲内のすべての整数値が試されます。しかし、効率上の理由から、ShiftXStrideおよびShiftYStrideパラメータを1より大きい値に設定することで、指定したストライドのグロスロケーションパスの後にユニットストライドのより小さいパスを使用することができます。(Stride パラメータの2乗程度に速度が増加します。)いずれの場合も値が大きすぎると、局所的な最大値がある場合に不一致と見なされることがあります。(文字サイズの一部程度の値を推奨します。)
- スキューイング、スケーリング、せん断:SkewCount、ScaleXCount、ScaleYCount および ShearCount パラメータは自由度ごとに試行された値の数を示します。このようなカウントを行うことで実行時間が長くなります。
自由度を使用しない場合、カウントは1のままにしておきます。
SkewCountが0に設定されていると、EasyOCV によって自動的に適切なカウント値が選択されます。